水は高いところから低いところへと流れます。周囲より低いところには水が集まり、河川や湖が作られてゆきます。河川が流れるとき、河川は曲がりくねって流れる事が多いのです。それを「蛇行」といいます。では、なぜ河川は「蛇行」するのでしょう。次の写真は宮崎県中部を東西に横断する大淀川の高岡町付近の河川の様子を写したものです。砂や礫(れき)が堆積している部分と、川の側面が侵食を受けて切り立っている部分がよくわかります。河川は蛇行する際に侵食と堆積を繰り返しながら蛇行してゆくのです。下に簡単な模式図(図は沖積平野を流れる河川についての模式図)を示したので、参考にしてください。

写真をクリックすると拡大されます。

手前側が堆積面で向こう側が侵食面です。向こう側の岩が侵食により切り立ち、手前側に礫がころがり、雑草が生えているのが印象的です。 左側の写真の地点よりほんの少し上流よりを見たものです。左が上流で右が下流ですが手前の川のなかに礫がたくさん見られます。堆積が進んでいることがわかります。
上の写真より下流側です、(手前が下流となります)このあたりは流れが緩やかになるのでしょうか、礫や岩の堆積が進んでいるようです。写真左側に大きめの岩が堆積しているのが速い流れによって岩が蛇行の外側に運ばれたものだと推測されます。 左と同じ地点から下流側を見たものです。写真右上の部分で蛇行が見られますが、左岸から堆積が進み河川が細くなっています。
右上の地点の拡大です。左岸の堆積の様子がよくわかると思います。 手前側の堆積面と、向こう側の侵食面がよくわかる写真です。向こう側の斜面が切り立っていることに注目してください。
砂礫の堆積面を写したものです。手前側が堆積面ですが。このあたりでは砂が多く堆積し、草も大きいものが見られるようになってきています。 向こう側が下流になります。右岸の堆積の様子がよくわかる写真だと思います。
向こう側が上流、手前が下流になります。右岸(写真左側)に砂礫の堆積が見られます。蛇行の内側で流速が弱まったために砂礫が堆積したものだと考えられます。真ん中の大きな石も上流から運ばれてきたのでしょうか? 向こう側が下流になります。左岸の堆積面に砂礫の堆積が見られます。
川が流れると、その周囲には自然堤防と呼ばれる微高地ができあがることがあります。これは、河川の上流から運ばれた土砂や礫(れき)が、少しずつ堆積してできた物であり、「自然堤防」と呼ばれます。自然堤防は周囲より高いために日本においては古来より集落や畑、果樹園などに多くが利用されてきました。自然堤防の外側には後背湿地(バックマーシュ)と呼ばれる自然堤防よりも一段低い低湿なものがみられることが多く、後背湿地は水田などに多くが利用されてきました。(最近は住宅地の造成も行われている事が多いようです)図中の矢印は河川の流水方向を表しています。左の図をクリックすると図中のa−a’の断面をみることができます。

図の矢印は河川の流れの速さを示し、大きいものほど早い。
左側の河川は緩やかに蛇行していますが、蛇行の外側においては流水の速度が速くなり、侵食がみられるようになります。また、蛇行の内側においては、上流から運ばれてきた砂や礫(れき)などが堆積するようになります。図をクリックすると上図中のa−a’の断面をみることができます。
上の河川の蛇行がさらに進み、曲がりくねった状態となります。図をクリックすると図中のa−a’の断面をみることができます。
蛇行が極限に近づき、もしこの状態で大雨が降ると、洪水を起こし、下図のように河川が氾濫し、流れが大幅に変わってゆきます。図をクリックすると図中のa−a’の断面をみることができます。
河川が氾濫し、新しい流れが形成されたものが、左の図です。河川の両脇にみられるものが、昔の河川の跡である「河跡湖」です。河跡湖は別名を「三日月湖」や「牛角湖」とも呼ばれます。形からそう呼ばれるのもわかりますよね。